ルクセンブルク大公国 人魚の伝説

Mystery
ルクセンブルク大公国 国旗
ルクセンブルク大公国の位置
ルクセンブルク大公国の位置

日本人にとってはあまり聞いたことのない国「ルクセンブルク」

西ヨーロッパに位置するこの国では、2018年に人魚が目撃されています。

ルクセンブルクに伝わる人魚の話をここでは掲載します。

 参考文献:「世界怪異伝説事典」 朝里樹:監修 えいとえふ:著 2021年

 

「人魚姫メルジーナと2つの約束」から

 

ある時、ジークフリード1世が狩りの途中、アルゼット渓谷に迷い込んだ。

すると高くそびえたつ岩壁の上から美しい歌声が聞こえてきた。

見上げると、そこにはローマ人の城壁に腰かけたメルジーナという美しい美女がいた。

ジークフリードはメルジーナに惹かれて愛を告白する。

メルジーナもまた彼を好きになり、求婚を受ける代わりに2つの条件を出した。

1つはこの崖に住まいを築くこと。

もう1つは週に1度、1人きりの時間を与えて欲しいとのこと。

ジークフリードはもちろん承諾し、アルゼットの渓谷に居城を築く。

これがルクセンブルグの起源である。

結婚後、2人は幸せに暮らしたが、ある時友人にそそのかされたジークフリードは、妻との約束を破ってしまう。メルジーナが1人きりの時間にこっそり覗くと、彼女は豊かなブロンドの髪をとかしながら、

お風呂につかっていて、その足は鱗が光る魚の尾になっていた!

姿を見られた事に気付いたメルジーナは、恥ずかしさのあまり窓から身を投げ、アルゼット川に飛び込んだ。

そして2度とジークフリードの元へ戻ってこなかったという。

アルゼット渓谷には、伝説にちなんで川を見つめるピンク色のメルジーナ像が置かれている。

 

この話には続きがあり、7年に1度、アルゼット川に姿を現し、川から救い出してくれる人を待っているといわれている。

メルジーナが現れる年になると、新聞でも報じられ、2018年には人魚を目撃した噂もあったそうだ。

次にメルジーナが現れるのは、2025年だという。