68年後の移動(時間移動・空間移動の事例①)

 

1890年、カナリア諸島にあるテネリフェ島で1人の少女が姿を消している。

彼女は両親から「梨を取ってきてくれ」と頼まれ、梨の木のある渓谷へと向かっていった。

ところがいつまで待っても帰ってこない。

自宅から渓谷までは歩いて数分の距離であり、迷うはずがない。

しかし島民総出の大掛かりな捜索の甲斐もなく、少女はとうとう発見されなかった。

 

それから68年の歳月が流れた・・・

1958年、突然見知らぬ少女が島に現れた。

梨を取りに行ったまま、行方不明になっている少女の名を名乗った。

 

はじめ島民はその言葉を信じなかった。

68年も経っているのに、少女は行方不明になった時と外見がまるで同じだからだ。

しかし聞けば聞くほど、彼女の話に矛盾はなく、幼い子供が知るはずのない当時の様子を正確に証言した。

やがて彼女は失踪当時の様子を詳細に話し始めた。

 

「渓谷に着くと、なぜか強烈な眠気に誘われ、梨の木の根元で寝てしまった。

起こしてくれたのは、とても背の高い白装束の男性で、彼は「渓谷の奥にある洞窟へ行こう!」と私の手を

引いた。洞窟には長い階段があって、降りた先には白装束を着た人たちが、何人もいた。

少しだけ、その人たちと話をしてから、洞窟を出て帰ってきた。」

 

この話は事実かどうかを示す物的証拠がない。

だがこの谷では他にも様々な奇妙な報告がされている。

1912年には、排水坑を掘っていた作業員2名が坑内で謎のトンネルと白く光る人を目撃した。

(生命体と会話を交わしたという説もある)

また第二次世界大戦前にはドイツのナチスが、この谷を訪れ、調査用の施設を建設している。

 

1991年には、写真家の男性が、見た事のない有翼の生命体と遭遇し、写真に収めたという記録も残っている。