日本の人魚の伝説2

 

上半身が人間で、下半身が魚の姿をした妖怪。

日本はもちろん、世界各地に目撃例があり、

様々な文献に記録が残っている。

 

人魚の肉は万病に効果のある不老不死の薬とされ、

これを食べた八尾比丘尼は800歳まで生きたと

いわれている。

 

人魚の肉を偶然に食べてしまった1人の少女は、

長い年月を過ぎても、全く年をとらなくなってしまった。

 

自身は若い姿のままなのに、周囲の人たちはどんどん老いて、そして亡くなってしまう。

親しくなった人々の死を見送り続けることに疲れた女は、やがて自身の死を求めて諸国を巡るようになる。

 

出家し、比丘尼となった少女は800年後に生まれ育った故郷へたどり着く。

長い年月が過ぎても変わらぬ故郷の風景を見た比丘尼は、愛する土地を魂と同化することで、不老不死という呪いから解かれ、追い求めていた安息の日を迎える。

 

東京都の博物館には、人魚の姿が描かれた瓦版(現在の新聞)が残されている。

江戸時代に見つかったこの人魚は、頭の部分だけが人間のもので、それ以外は鱗で覆われた

魚の姿をしていた。

頭には角も生えており、その全長は10mほどもあったという。

またその姿を見たものには、無病息災の効果があったとも記されている。

人魚ゆかりのものも多く残っており、和歌山県のあるお堂には、人魚のミイラが安置されているという。