【リンク】 世界日報 2023年記事
→山登りが趣味の人にとっては縁がある場所「高尾山」
天狗にまつわる昔話
江戸下谷長者町の藤川弥八郎道場の内弟子、神城四郎兵衛正清は、1808年6月に天狗に誘われて
天狗の住む世界を往来するようになり、江戸じゅうの評判となり、その様子を幕府御広敷 番頭 稲田喜蔵が
記録している。
これによると食べ物は、松葉・竹葉・木の葉・猿の仔・魚肉。五穀は食べず、金銀は使わない。
風俗は、髪は肩のあたりまで伸ばし、瞳は黒く、その周りは黄色で、眼の縁も黒い。
衣服は綿に似たものを着る。
空を飛行するのは翼によってではなく、飛び上がって飛行するので300里くらいは飛べる。
天狗同士は争いがないため、殺人としての術は習わないが、不敗の術は習う。とある。
江戸時代の天狗の世界の話で一番有名なのは、仙童寅吉の「仙境異聞」でこれは当時の国学者達が、
寅吉を熱心に追求し、山崎美成が「平児代答」に詳しくまとめている。
寅吉は、江戸下谷七軒町の町人の子で、7歳の時に常陸国岩間山の13天狗の頭領、杉山僧正に連れ去られて、
天狗と共に生活をした。
この事は平田篤胤も「仙境異聞」にまとめている。
それによると天狗は、魚・鳥を煮たり焼いたりして食べるが、四本足の獣(牛や豚)は食べない。
ただし餅・みかん・ぶどうは好物で、いちご・くわの実・梅・えびかつら・柿・クヌギの実も食べる。
天狗の年齢は、200~1000歳まれに3000歳の者もいる。
羽団扇は、空に上る時も、降りる時にも用い、妖魔を払い、悪獣を倒すときにも用いる。
姿は山伏姿に共通する。
参考文献:「図説:日本未確認生物事典」 笠間良彦 1994年
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