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数学

春宵十話 1960年頃

 

岡 潔(1901~1978)数学者

 

数学は論理的な学問である、と私たちは感じている。

然るに岡潔は、大切なのは情緒であると言う。

 

人の中心は情緒だから、それを健全に育てなければ数学もわからないのだ、と。

さらに情操を深めるために、人の成長は遅ければ遅いほどよい、とも。

 

人の中心は情緒である。

情緒には民族の違いによって色々な色調のものがある。

例えば春の野に様々な色どりの草花があるようなものである。

 

数学とはどういうものかというと、自らの情緒を外に表現する事によって

作り出す学問芸術の1つであって、知性の文字板に、欧米人が数学と呼んでいる形式に表現するものである。

私は人には、表現法が1つあればよいと思っている。

 

私は数学なんかをして人類にどういう利益があるのだと問う人に対しては、

スミレはただスミレのように咲けばよいのであって、

その事が春の野にどのような影響があろうとなかろうとスミレのあずかり知らない事だと答えてきた。

 

 

1963年1月30日 岡潔 2010年(文庫版)2023年発見!


音楽とは心から作り出すもの。

心の変化が生み出すものであり、それを表現する方法が、楽器だったり、曲だったりする。

音楽をして他の人に利益はない。

だがその人が持つものを表現したいという欲求は絶えず起こるものであって、花はそれぞれ全く違う花を持つ

GAMEも1つの表現方法であり、ミステリーを書くというものも同じ。ファンタジーを書くものも同じ。

科学や情報も実は同じだ。

そこで最後はmysteryから引用した言葉で締めくくりたい。

「日本人は情緒的な民族、フランス人はみんな理屈屋さん」(サン・ジェルマン伯爵)


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数学とは論理ではなく情緒の世界