未来のイメージ

 

未来のイメージの盛衰と歩調を合わせるように文明の盛衰が起こる。

 

ある社会が持っている未来のイメージが前向きで、かつ繁栄の方向に向かったものである限り、

その社会の文明は開花していく。

しかし1度そのイメージが朽ち、活力を失うと、その文明は長く持たない。

 

何の方向性も持たない、つまりはっきりとした未来を見ることができない個人・組織・国家は多くの場合、

何も決められず、揺れ動き、自分の行動さえもはっきりしないため、道に迷う状態となる。

人間の歴史の中で国家レベルでほぼ働いてきた。

彼は未来のイメージというものが、個人のレベルをはるかに超えた国家というレベルでも、

未来をつくるうえで必要不可欠なものであることを証明しました。

人間は今より先の事がイメージできなければ、次の行動に踏み出せません。

 

それは人間の集まりである組織や国家においても同様であることをフレッド・ボラックは明らかにしたのです。彼は明るく前向きな未来のイメージこそ、社会にとって有益であり、暗く後ろ向きなイメージは

社会の衰退をまねくと述べています。

 

未来の社会を築くのは若者たちです。

従って彼らがどのようなイメージを持っているかが、その社会の未来の方向を暗示する重要な指針になります。社会学者・未来学者であるエール大学名誉教授のウェンデル・ベルは、現代の若者のイメージは、

現実主義に支配されており、彼らは未来の多くの可能性や他者(人々)の幸福に関しては関心が薄いと

指摘しています。

 

そのような若者は、自ら未来のイメージを膨らませる代わりに、誰かが提示する未来のイメージを自分のものとして受け入れてしまいがちであると問題提起しています。

これは若者にとって危険です。

なぜなら人の行動の元は、イメージなので他人の未来のイメージを自分のものとして受け入れてしまうと、

それは他人のイメージに向かって、自分が行動を取るようになってしまう事と同じだからです。

日本国民が第二次世界大戦を戦い続けたのは、軍主導の国家が目指すイメージを自分のものとしてしまった

からです。

このように自らの力で自らの未来のイメージを作らなければ、必ず誰かが自分たちにとって都合の良い未来のイメージを押し付けてくることは、歴史が証明しています。

 

vision

 ・起こしたい未来

 ・実現を最も望むイメージ

 

ビジョンを持っていると、未来に向けて行動を起こすことが苦痛でなくなり、行動する事が当然のように

なってくる。明るさや期待といった前向きな感情が沸き起こってくる。

それにより自らの行動の意味と意義が実感できる。